月は昇りぬ  Der Mond ist aufgegangen

1910年生まれのヒルデおばあちゃんは、ドイツ激動の時代を生き抜いた人です。戦前から終戦直後までの、彼女の思い出話を綴っています。

ブルーノおじさん

1914年8月、今日は待ちに待った木曜日、魚市場の日だ。母がいそいそと着替え始めるのを、4歳の私はわくわくしながら眺めている。コルセットの紐をキュッキュッと締め上げると、たちまち母のウェストは美しい流線形を生み出し、心地良い衣擦れの音をたてなが…

ヒルデおばあちゃん

これは2006年のサッカーワールドカップでテレビに向かってドイツチームを応援する、当時96歳のヒルデガルドおばあちゃん、通称ヒルデです。この二年後に98歳で亡くなったヒルデおばあちゃんは、私の夫の祖母、つまり私の義母の母、つまり私の娘たちの曾祖母…